千葉県旭市の海岸沿いの町に計画したセカンドハウスの計画です。
セカンドハウスを主体とした温泉つきの新しい分譲住宅地のためのコンセプトとプロトタイプ住宅です。
私的区分を開放する共有の小径が実現する新しい暮らし
分譲敷地内に住民が自由に通れる共有の小径をつくり、敷地という考え方を拡張します。財産としての土地区分から開放され、まわりの家々と一体となった住宅群とそこで展開されるセカンドライフは、豊かな体験として、人々の心の中で成熟されていきます。
私的な空間と公的な空間との相互関係の構築
計画した住宅は、閉じて静穏で自己を大切にする私的な空間と、周囲を行きかう人と共につくりあげていく開いた暮らしを実現する公的な空間との、相互関係の構築の仕方を提案します。個人としての静かな場を持ちながら、周囲の様相と一体となって暮らせる住宅です。
敷地内をとおる小径をはさんで母屋と「離れ」としてのアトリエを設けます。
母屋には生活に必要な機能が一筋の流れのように中庭を取り囲む円環状に配置されます。リビングは木陰にあります。いつでも外を通りかかる近所の仲間と話したり、お茶をしたり、食事を楽しむことができる、外へ開いた住まいです。
アトリエは母屋から独立した一つの部屋です。小径に面した扉や窓を開けて、仲間や友人や客を招き入れることができる、そんな空間になります。
母屋の内側には中庭は個人のための場所です。外からは見えにくい空間です。自分ひとりの時間を大切にするための空に開いた部屋です。
建物の構造はRC造であり、離れて配されたいくつかの壁を屋根スラブが繋ぎます。白いコンクリートによる即物的な空間は、その内部でや周囲で生まれる出来事の静かな背景です。
周囲の様相に開かれ一体となることを目指した住宅は、建物中心の閉ざされた中庭を持つことによって成立している、豊かな暮らしができる住まいです。