21 光に満たされる高天井の上品な黒い家

光に満たされる高天井の上品な黒い家
東京都稲城市に計画した木造二階建ての家です。
敷地は里山の風情を残す高台にあります。建主は若い夫婦。趣味は多彩、そのためのスペースも必要です。落ち着いた暮らし、明るく暖かな住まいを作りたいとのことです。

天井の高い主室を二階に配置して採光と日射を確保する

南東側と南西側に隣地の建物が接近して建っており、採光と日射を確保するため、天井高の高い主たる室を二階に配し、高窓を設けて南側からの暖かな光を室内に導きます。北西側に設けた連続する大きな横長窓からは、公園や山裾や遠く稲城の街をのぞむことができます。

光に応じて色合いが変化する上品な黒い外壁

外壁は、黒い塗装ガルバリウム鋼板としました。厳密には鈍く輝く深いグレーです。光の変化に応じて、色合いが変化する上品な表情を纏います。塗装ガウバリウム鋼板は耐久性が非常に高く、耐汚染性にも強い、美しい素材です。


光に満たされる高天井の上品な黒い家 スケッチ
光に満たされる高天井の上品な黒い家 室内のイメージ
平面計画のためのスケッチと、内部空間のイメージです。

光に満たされる高天井の上品な黒い家 室内の光についての検討1
光に満たされる高天井の家 室内の光についての検討2
光に満たされる高天井の上品な黒い家 室内の光についての検討3
室内にどのような光が入ってくるか、窓の大きさや位置は適切か等々を模型を使って検討し、確認します。

光に満たされる高天井の上品な黒い家 平面計画
一階は寝室・ウォークインクロゼット・洗面室・浴室・トイレ・玄関およびシューズインクロークを設けます。子供室は将来必要に応じて寝室を仕切って設ける計画とし、間仕切壁を設置できるように下地の準備などをしておきます。寝室とウォークインクロゼット、ウォークインクロゼットとシューズインクロークと玄関はぐるっと回れるプランになっています。

二階にはLDKとPCコーナーおよび夫のための趣味室であるスタジオを設けています。キッチンの先にウッドデッキのバルコニーを設け、洗濯物などを干すことができるようにしました。

二階の天井高さは2.9mとして広々とした空間容積を確保するとともに、南東側の高窓から十分な採光を確保できるようにしています。その一方、北西側には横長の連続した窓を設けて、その先に広がる稲城のまちを眺めることができます。風通しにも配慮して、玄関脇の小窓から入ってきた心地よい風が二階に抜けてゆくような小窓なども計画しました。

キッチンカウンターは既製品を導入しましたが、その周囲や背後の収納等はすべて造作家具としてデザインしています。またリビングの一角にはアルコーブやベンチなどを造作します。

光に満たされる高天井の上品な黒い家 立面計画
光に満たされる高天井の上品な黒い家 断面計画
光に満たされる高天井の上品な黒い家 外観イメージ 正面
光に満たされる高天井の上品な黒い家 外観イメージ 側面
模型写真を敷地にあてはめて、建物の見え方を検討しています。

この住宅は稲城の家として竣工しました。