神奈川県横須賀市に計画した鉄筋コンクリート（ＲＣ）造の大きな二階建て住宅です。
敷地は海岸沿いの通りから少し上った高台にあり、相模湾や富士山を望むことができます。周辺環境に配慮したうえで、眺望や敷地特性を生かした住宅が求められました。
相模湾を望む白く輝く52帖のリビング・ダイニング・キッチン
建物は上下ふたつの階によって構成します。一方は三つのゲストルームとこれらに付属するユーティリティーなどをおさめたアプローチ階、その先には広い平らな芝生の庭が広がります。
もう一方は夫婦の普段の暮らしが行なわれる主階です。主階に設けた広々とした白く輝く大広間としてのリビング・ダイニング・キッチンは、幅10.8ｍ奥行き9ｍ（約52帖）の広さ、その一角にパティオ（約12帖）をつくります。床は白大理石で張り上げます。ここから相模湾を眺め、その向こうに富士山を望むことができます。この広間を囲むように書斎や納戸、寝室やユーティリティーなどを配置します。
敷地は、上下二段の土地にまたがっています。造成は行なわない方針としました。周囲の家との関係や必要な諸室などのヴォリュームを検討する過程を経て、上の段には普段この家で暮らす夫婦のための諸室を配し、下の段に時々滞在するゲストのための諸室を配するという計画としました。
下の段：
一階（アプローチ階）には、玄関、ゲストルームおよびゲストルーム用ユーティリティー、倉庫、納戸を配置します。広々とした芝生の庭がこれらの部屋から連続します。
上の段：
二階（主階）には、バルコニー、リビング・ダイニング・キッチン、書斎、主寝室、ゆったりとしたユーティリティーを配置し、ご夫婦の日々の暮らしがこの階で成り立つように計画しました。将来のことも考慮してEVを設置しています。
書斎は富士山を正面にのぞむ位置に配置します。リビング・ダイニング・キッチンおよび主寝室からは、海に大きく開く開口部を設置します。広々としたバルコニーをリビング・ダイニング・キッチンから連続させます。外周側は階段動線や水周り、主寝室や納戸や書斎が続きます。それらは相互に行き来できるようにしました。外周部に囲まれた内側には、パティオや広々したキッチン、大勢が集まって食事をすることができるダイニング、そしてバルコニーに続くリビングを設けます。
外観はシンプルなシルエットとし、仕上げは白色系の左官系塗り壁材とします。主な内部仕上は、床を白大理石とし、壁面を調湿性に優れる左官系塗り壁としました。