15:ローコストで建てるすがすがしい狭小都市型住宅の発展形です。
建主さんたちからは、上記の計画に加えて幾つかの希望が提示されました。ヒアリングと提案をやりとりしながら、それらの意図を建築の形へと展開していきました。
法令に従いながらつくる光や風を通す柔らかな木製フィルター
基本的な階の構成などは変わりませんが、二階だけにあったバルコニーを三階にも作ることになりました。ただし採光にも留意する必要があります。また関係法令に従った建築面積とする必要がありました。それらを総合して道路側に特徴的な木製のスクリーンを有するバルコニーを計画しました。
木製スクリーンは木のルーバーを縦に張り上げたもの、光や風を通しつつ、道路側と室内との間に柔らかなフィルターをつくります。バルコニーに床も木製デッキでつくります。バルコニーの寸法やデッキ材の隙間の幅についても、建物が立地する行政部署と打合せや確認を経て、床面積に算入されないバルコニーとして成立するよう計画しました。
内部空間の延長として、外と内との緩衝帯として、そして外観を特徴付ける面として、この木製スクリーンとバルコニーは、この住まいにとって重要な要素として発展していきます。
上:内部空間の材料や仕上げを検討したスケッチです。
下:バルコニーの木製スクリーンの検討スケッチです。
上:外観を検討したスケッチです。
下:内部空間の検討スケッチです。
様々な条件や要望・希望を整理し調整しながら最終的な計画へと進めて行きます。
実際にどのような光が入ってくるのかなどについても模型をつくって確認します。
この計画は、朝霞の家として竣工しました。