千葉県千葉市に計画した陶芸工房を併設した木造三階建ての二世帯住宅です。
夫婦と子供の世帯の他、将来は親世帯が住む可能性があるため、そのためのスペースを確保することが求められました。
三階建ての母屋と平屋建ての陶芸工房
母屋は建物は三階建てとし、それに平屋建ての陶芸工房が付属します。
母屋は一階を親世帯用とし、二階と三階を子世帯が使用します。親世帯のスペースについては、当面はトイレのみを設置してゲストルームのように使用し、将来必要になった時にキッチンや浴室を設置するという方針としました。陶芸工房は道路に面して小さな飾り窓を設けます。また奥にウッドデッキの庭を設けて必要な資材等も置けるように計画しました。
外観は濃いグレーの塗装ガルバリウム鋼板で仕上げ、三階の小さなバルコニーが印象的な立面になります。
明確なゾーニング・シンプルな構造・メリハリのある仕上げでつくる三階建て二世帯住宅
ローコストでつくる三階建て二世帯住宅という計画のため、明確なゾーニングとシンプルな構造、メリハリのある仕上げといったことが、この住宅における重要なテーマです。そしてこのテーマが、合理的に感受性豊かに様々なシーンで暮しを楽しむことができる住まいを生み出します。
この家で考えたことは、以下の6つのことです。
1. 敷地全体のゾーニングは、住居・奥の庭・前庭(アプローチと駐車スペース)・工房の4つの部分にわけ、敷地内に様々な生活のシーンや表情を与えます。
2. 住居部分のゾーニングは一階を親世帯DKおよび母親と妹の部屋とします。二階は、子世帯のLDKとユーティリティー、3階を子世帯のベッドルームとバルコニーとします。
3. 二世帯住宅において、上下階に水廻りなどがある場合には、給排水における音の問題が発生しやすいので、それを防ぐために一階と二階のユーティリティー部分を平面的に同じ位置にして、なるべくお互いに音の問題が生じないように配慮します。
4. 構造はできるだけ単純な架構とし、将来への使用の変化に容易に対応できるようにします。本計画では木造軸組み工法とします。
5. 外壁は耐候性に優れた塗装ガウバリウム鋼板のサイディング(断熱材充填済み)とし、メンテナンス性とコストに配慮します。
6. 内部仕上げは、二階壁面のみを白い平滑な壁として仕上げ、一階および三階の壁・各階天井面は構造現しとし、シンプルにまとめる。
季節の移り変わりや日々の光や風の変化に敏感でいられる、そんな暮しが楽しめる家です。