千葉県御宿町に計画した木造二階建ての住まいです。
現役から引退し、第二の人生をこれから楽しむ夫婦のための、新しいはじまりの家でもあります。
敷地は造成地ですが、背後には木立がつながり、菜園を楽しむための素敵なロケーションが広がっています。ゆるやかな雛段状の造成地のため、遠くに太平洋の広がりを感じることができます。
田の字型プラン、ぐるっと回れる生活動線の家
建物は伝統的日本家屋の基本形である田の字型プラン、ぐるっと回れる生活動線の家です。外観はシンプルですっきりとした切妻屋根の輪郭。玄関とポーチがそこから低く延びています。
家と菜園のつながり
ポーチに立てば、実りの菜園の広がりを眺めることができます。水周りは母屋と少し離れた別棟につくります。菜園で作業した後、このつなぎ目から直接台所へ収穫物を届け、また土のついた作業着のまま洗面室に直接入れるようにします。
夫婦それぞれの書斎とアトリエ
二階には夫婦それぞれの書斎とアトリエ、寝室を設けます。書斎からは遠く太平洋のきらめきが、アトリエからは菜園の様子を眺めることができます。
菜園とこれからの人生を楽しむことを暮らしの真ん中においた、そんな住まいのデザインです。
一階はキッチン・ダイニング・リビング・和室が田の字にならんだ平面計画です。これらをぐるっと回ることができます。リビングと和室の先にはウッドデッキがあり、その先に菜園が広がります。二階には夫のための書斎、妻のためのアトリエ、寝室が配置され、一部吹抜けになっています。
洗面室や浴室、トイレなどは別棟となり、菜園から続く通路がこの二つの棟の間に設けた出入り口につながっています。玄関ポーチは門のようでもあり、そこに立てば、菜園の広がりを一望できるようになっています。
外観は杉竪羽目板張りとして、周囲の林や菜園の風景に時間をかけてなじんでいくようにします。