05 ごくあたりまえでシンプルな生きかたのための家

ごくあたりまえでシンプルな生きかたのための家
東京都品川区の町工場と住宅が密集する地域に計画した狭小都市型の三階建て住宅です。
建主夫妻と子供二人および建主の母親の五人が住む二世帯住宅として計画しました。

盛りだくさんの要望をシンプルなありかたへ再構成

構造は軽量鉄骨造で計画しました。建主さんのご希望は盛りだくさんではありましたが、あえてそれらをシンプルなありかたへと再構成することで、暮らしの基盤となる場所を再構築する、そんな住まいを考えました。

玄関は共有、水周りとキッチンは別とした二世帯住宅

一階に親世帯(単身)、二階・三階が子世帯が住む場所です。玄関は共有としましたが、水周りやキッチンはそれぞれにつくります。

周辺環境に溶け込みながらも力強く建つ

道路に面した二階・三階のバルコニーには鉢植えの植栽を置いて、それらが通りからみえるように手摺の形状などを考慮しています。周辺環境に溶け込みながら、同時にこの場所に力強く信念を持って建っている、そんな佇まいを目指します。

たとえれば、ごくあたりまえでシンプルな生きかたのための家、「素のうつわ」です。



ごくあたりまえでシンプルな生きかたのための家 三層構成の考え方
ごくあたりまえでシンプルな生きかたのための家 平面計画
ごくあたりまえでシンプルな生きかたのための家 断面・立面計画
一階は親世帯(単身)、二階と三階を子世帯が使う計画です。玄関は共有としますが、水周りなどは、それぞれにつくりました。二階は子世帯の寝室と水まわり、三階に子世帯のLDKと文筆業の妻のための書斎を配置しています。

道路に面する南西側以外の面は、周囲の建物が接近して建っているため、通風や心理的距離感などを確保するために、敷地境界線からは少し離して建物を計画しました。道路に面してバルコニーを設け、そこで建主さんの趣味である鉢植えなどの植物を育てるイメージです。

収納家具やキッチンまわりはすべて造作家具でつくります。二階はぐるっと回れるプラン、三階は道場のような畳敷きワンルーム形式として、三方がふさがれた敷地状況や限られた床面積という条件を克服し、そこでの暮らしがすがすがしくなるように務めたデザインです。

この計画は、次の段階:10 狭小都市型二世帯住宅の収納計画をとおして へと続きます。
また最終的に、品川の家 として竣工しました。