群馬県高崎市に計画した木造平屋建ての住宅です。
独身の女性と二匹の犬がこれからの人生を共に過ごしてゆくための住宅です。
建主さんは、元々住まわれてた場所を離れて新しい暮らしをスタートさせます。将来のことを考えバリアフリーとした空間を要望されていました。またそれまで住んでいた家の面影を残したいという気持もありました。またこれから暮らしの伴侶となる二匹の犬と自由に楽しく過ごせる場所をつくりたいということでした。
バリアフリーのぐるっと回れるプラン、機能的でコンパクトで無駄のない生活動線
内部はバリアフリーのぐるっと回れるプランとして、建主も犬たちにとってもストレスのない間取りにします。丁寧につくり込む造作家具によって機能的でコンパクトで無駄のない生活動線と暮らしを実現します。
シンプルな外観、勾配天井に包み込まれる室内
外観は切妻屋根のシンプルな輪郭、平入とします。天井はこの屋根の形がそのまま表れた形、ふっくらと室内包み込みます。真南に向いた屋根面には太陽光発電パネルを設置して、非常時に備えます。
にわの花木の香りや室内に取り込まれる穏やかな光が、二匹の犬との生活に四季のうつろいを伝え、随所に設えられた思い出の家の面影が静かにこの家の姿を見守ります。
この家で考えたことは、以下の6つのことです。
1. 建物の形状は、できるだけシンプルにすることを考え、単純な箱型の平面で切妻の屋根とする。
2. 敷地全体に対するゾーニングは、南側前面道路側から まえにわ・ウッドデッキ・駐車スペース / 玄関・リビング / ダイニングキッチン・寝室 / 予備室・ユーティリティー / きたにわというシンプルで明確な構成とする。
3. 各々の部屋はコンパクトで使いやすく機能的に。
4. 部屋を仕切る戸は全て引戸により構成。ダイニングキッチンと寝室を他の部屋と仕切る引戸は全て壁の中に収納され、リビング、ダイニングキッチン、廊下、寝室という具合にぐるっと回れる平面計画とする。(バリアフリー)
5. 光や風が心地よく感じられ、また季節のうつろいを豊かに感じられるような開口部をそれぞれの部屋に設ける。
6. それらをゆったりとした勾配天井でおおい、そしてつなぐ。
各々の部屋とその繋がりは使いやすく機能的に、そして全体はゆったりと大らかなものに。光に満ち風通しの良い、穏やかで心地よい、二匹の相棒エルとケリーとの生活。