横浜市鶴見区の住宅密集地に計画した狭小都市型住宅です。
小さな敷地ではありますが、角地のため建物の二面は道路に面しています。その敷地条件を活かし、採光と通風を確保しながら気持の良い場所が生まれるように丁寧に計画します。
造作家具や開口部からの光が空間に抑揚をつける心地よい住まい
コンパクトにまとめた密度の高い狭小都市型住宅ですが、造り付けの家具のデザインや、開口部の位置と採光方法の工夫によって空間に抑揚をつけ、居心地の良く心穏やかになる家となるように計画します。機能的に過不足なく、十分な収納量を確保しながら、同時に美しくあるようにデザインします。
まなざしを少し遠くに据えて暮らすことができる、そんな住まいをつくります。
一階には、ビルトインガレージ、洗面室と浴室を設けます。
二階には、リビング・ダイニング・キッチンとトイレを設けます。
三階には、洗濯物を干すことができるバルコニーのある寝室と子供室を設けます。
この住宅で考えたことは、以下の5つのことです。
1. 建物の形状は、できるだけシンプルにすることを考え、単純な箱型の平面で切妻の屋根とする。
2. 間口の長さを生かした室内、視線を導く家具や窓、天井面の変化などによって連続する豊かな空間を生み出す。
3. リビング・ダイニング・キッチンは、一室の空間とすると同時に、空間的な特徴をもたせたコーナーをしつらえる。
4. 掃除がしやすく、風通し良く、気持ちの良い明るい家にするため、動線をシンプルにし、風や光や人がスムーズに流れるように全体を計画する。
5. 収納は基本的な収納量を確保しつつ、使う場所に使うものを収納することが可能なように、家具やスペースを確保する。また、将来においてロフト等の設置も可能なように配慮する。
二階のリビング・ダイニング・キッチンの一角には造り付けのベンチがあります。その上部の少し天井が高くなった部分には高窓を設けて、ベンチに腰掛ける人の上に光が柔らかく降りてくるようにします。ダイニングの背後には収納式のPCコーナーもつくります。キッチンや収納などはすべて造作家具として製作し、すっきりとした内部空間となります。
いろいろなところにお気に入りの居心地の良い場所がある、そんな住まいです。