埼玉県朝霞市に計画した狭小都市型住宅です。
ご夫婦と男の子二人の家族が住む家です。それまで住んでいた二階建ての家が手狭になり建て替えを計画されました。湿気対策や風通しのことなど、住んでいるからこそわかる問題点を改善して、より快適な住まいとすることが求められました。またローコストな工事費に対応する計画である必要がありました。
シンプルな構造・平面・断面計画、メンテナンス性とローコストに配慮した箱舟
シンプルな構造・平面・断面計画。家族みんなで、心地よさと新鮮な発見ができる、楽しい暮らしを実現させます。単純化させた箱の中に、さまざまな生活のシーンが豊かになる工夫を取り込みながら、メンテナンス性とローコストに配慮した、そこでの暮らしが家族みんなの思い出として残っていく箱舟としての住まいです。
この家で計画したことは、以下の5つのことです。
1. 構造は単純かつ合理的な架構を考え、この計画ではその規模から木造軸組工法とする。2. 外壁はガウバリウム鋼板(小波)とし、シャープでメタリックな印象を与えると共に、メンテナンス性とコストに配慮する。
3. 内部仕上げは、壁面および天井面を白い平滑な面として仕上げ(3階天井のみ構造現し)、床面は構造用合板UC塗装とする。
4. 室内を広々と感じられるように窓の大きさや位置、高さなどに配慮し、またリビングの延長としての広いバルコニーを設ける。
5. シンプルな住宅だからこそ、収納のボリュームをしっかりと確保する。
6. 全体のコストに大きく影響する造作家具類はセルフビルドでつくる。また、セルフビルドが行いやすいように配慮する。
一階には、ビルトインガレージと洗面脱衣室・浴室・トイレを設けます。
二階には、リビング・ダイニング・キッチンとトイレを設けます。道路に面したバルコニーがリビングの空間を外部に向かって拡張させます。キッチンはⅡ型のキッチンです。
三階には、寝室を設けます。他にはなにもない、ワンルームです。必要に応じて家具などで間仕切りをつくることを想定しました。
なるべく単純化し、間仕切りはなし、内部の建具も最小限とすることで、リーズナブルでありながら質のよい、すがすがしい家となるように計画しました。
この計画は、19 木製のスクリーンとバルコニーのある狭小都市型住宅 へと続きます。