東京都葛飾区、中川沿いに立地する敷地に計画した、狭小都市型木造三階建ての住宅です。
夫婦と子供二人のための住まいです。建主は家族の成長と共に変わって行く住まいとはどのようなものなのだろうと考えていたようです。
立体的なつながりをもたらす吹抜け・高窓・ルーフバルコニー
川をのぞむ大きな窓を2階のL・D・Kに設け、川の景色を室内にとり込みます。
台形の敷地形状に合わせた建物の輪郭が室内にゆったりとした広がりをうみだします。
吹抜けや高窓やルーフバルコニーなどが家の中に、家族の間に、立体的なつながりをもたらします。
空間的設えによってつくられる場所と時間
間仕切りによって仕切ったり区分けたりするのではなく、空間的設えによって異なる場所や時間をつくります。このような考え方によって、家族の成長と変化に柔軟に対応しながら、生きた住まいとして成長していきます。
家は一生住む場所であり、その間に家族構成や必要なスペースが変わっていくことが予想されます。そのような変化に対応できる家を計画しました。
一階には、玄関・夫婦の寝室(三階を子供室とした場合)・浴室・洗面室・トイレを配しました。一階と二階の水まわりの位置を近くにすることで、生活音やエコキュートの効率などに配慮しました。
二階にはL・D・Kとテラスを配しました。中川と空にひらく窓を設けた広がりのある、開放的な室内です。キッチンで作業しながら、家族の様子や気配を感じられるように配慮しました。コックピットのようなキッチンは、造作家具で製作します。床に段差をつけてキッチンカウンターの先がそのまま子供の机になるような、そんな楽しい場所になります。吹抜を介して、三階ともつながります。
三階は、家族の成長や変化に対応できるよう、大きな一つの空間としました。はじめは、家族みんなの寝室とクローゼットとして使います。その後、子供室として使い、必要に応じて仕切ります。子供の独立後は、またゆったりとした一つの空間にしたり、他の使い方をすることができます。吹抜を介して、二階とつながります。心地よく暮らすことができるように、ルーフバルコニーやロフトを設けました。
いわゆる狭小住宅ですが、多様な住み方や将来の家族の変化に対応できる住宅です。