32 プライバシーを確保しながらつくる穏やかな時を持つ家

プライバシーを確保しながらつくる穏やかな時を持つ家
千葉県松戸市に計画した木造二階建ての住宅です。
夫婦と子供二人、老齢の母親が住むための家です。隣近所に気兼ねすることなく自分たちの暮らしを自由に楽しみたい、という希望があります。

プライバシーを確保した閉じた外殻の内側につくる開放的な内部空間

周囲の環境からプライバシーを確保するために、比較的閉じた外殻をつくります。家族が普段過ごす主階は二階とし、二階レベルの外郭の内側をリビング・ダイニング・キッチンとアウトドアリビングと母親の部屋の三つに分割します。リビング・ダイニング・キッチンと母親の部屋は、壁で囲まれ空に開いたアウトドアリビングに面して大きな開口をつくり、プライバシーを確保しながら、明るく開放的で穏やかな室内を実現します。リビング・ダイニング・キッチンは天井高を3.6mの高天井として、連続した高窓を設け、採光と自然通風を行ないます。

穏やかで広がりのある豊かな内部空間

皆で集う内部空間を、豊かな光や影、心地よい風で満たした家です。そこに生まれる穏やかな時が、皆の思いをつなぎます。外に対してはシンプルに閉じながら、内部に広がりのある豊かな空間をつくることを目指した住まいです。


プライバシーを確保しながらつくる穏やかな時を持つ家 外観と内観イメージ
プライバシーを確保しながらつくる穏やかな時を持つ家 平面計画・内観イメージ
プライバシーを確保しながらつくる穏やかな時を持つ家 立面計画・断面計画
一階は寝室・子供室・水周りとします。二室ある子供室は、家族構成が変化したときに一室として使えるように計画します。

二階にはリビング・ダイニング・キッチン、トイレ、親の部屋とアウトドアリビングと呼ぶ壁で囲まれプライバシーを確保したウッドデッキの中庭を設けます。

リビング・ダイニング・キッチンへの採光と通風には、この中庭と高窓および天窓を用います。キッチンからアウトドアリビングの壁までは9.1m、天井高3.6m、建物長手方向に続く特徴的な空間になります。一方の壁には壁面全体に造作家具による壁面収納を設けます。キッチンはⅡ型、ぐるっと回れるプランです。午前中は東の高窓から、そして南のアウトドアリビングからの光が、室内に豊かな陰影をもたらします。

プライバシーを確保しながら、季節によって移り変わる光や風を感じることができる、そこで皆が思い思いにくつろげる、そんな家となりました。